メタボ患者はなぜ増えたのか?

生活習慣が現代のメタポを生んだ

メ夕ポ診断基準ができたのは、2005年4月ですから、それ以前は腹囲の測定が行われていないのでBMIで代用するなど、現在の診断基準をそのまま適応したものではありません。しかし同じ生活習慣病の糖尿病はこの50年間で30倍以上増えました。突然、遺伝子が変わったわけではありませんから、増えた原因は食生活や運動量などの生活習慣の変化によるものと考えられています。

 

近年日本人の食生活で一番変わったのは、動物性脂肪摂取量の増加です。戦後、食生活の欧米化により、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉の摂取量が増えました。おかずの内容が豆腐、納豆などの植物性蛋白から動物性蛋白にシフトしたわけです。それに比例し、動物性脂肪の摂取量が増えました。

 

摂取エネルギーが増えていないのに、肥満者が増えている背景には、運動量の減少もあります。しかし、ライフスタイルが多様化したことにより朝食抜きや遅い夕食を摂る人が増えたことも関係しています。人間の体は食事の回数を減らすことでエネルギーを貯蓄するようになります。お相撲さんが2食しか食べないのはそのためです。寝る前に食べたものはエネルギ?として消費されにくく、身についてしまいます。

 

また、摂取エネルギーが同じでも、高脂肪食や、清涼飲料水、ケーキのような甘いものに含まれている砂糖などの単純糖質を多く摂ると太りやすくなります。単純にメタポを解消したければ戦前の生活に戻ればいいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。

 

豊かさが運動量の減少させる

そもそも運動量というのは、日常生活の活動量が大きく関わっています。戦前の主婦は掃除、洗濯、床拭き、買い物、布団敷きなど生活の中で多くのエネルギーを消費していました。肉体労働者と言ってもよかったのではないでしょうか。現代はどうかというと、洗濯機、掃除機、ベッドの生活、自動乾燥機、自動食器洗い機、電動自転車など生活様式が変貌してしまっています。人類がより快適に生活できるよう考えられてきたものですから、いまさら放棄するのは困難だと思います。

 

現在の日本人の食習慣を年齢別にみると、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、豆類といった繊維質が多く、体に良い食べ物は高齢者が、逆に肉類や油脂は若者が多く食べているという特徴があります。繊維質は血糖の上昇を緩やかにし、コレステロールの吸収を抑える作用があり、生活習慣病の予防には欠かせないものです。また運動量についても、歩く歩数が減ってしまいました。これには、よく言われるように自動車の普及が大きく関与しています。車で通勤している会社員の1日の歩数は3000歩程度といわれ、電車で通勤している会社員の半分以下です。

 

交通機関が発達したことも、大いに関係しています。都心部であれば、どこに行くにも近くに地下鉄の駅があり、数分歩けば目的地に着くことができます。地方はどうかというと、車が普及し、どこへ行くにも車という方が増えました。農業もトラクターを用い、ほとんど歩かないという場合も少なくないようです。

 

私達は昔には戻れません。現代のライフスタイルで、いかに体を動かす時間を作るかが大きなポイントです。健康のために行う身体活動を運動と言います。

 



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